ハーブティーとしても人気!「ヒソップ」の効果・効能をご紹介
ヒソップはシソ科ヤナギハッカ属の半常緑多年草で、ハッカのような清涼感のある香りが特徴です。聖書にも登場するヒソップはハーブティーやスパイスなど、古来からさまざまな場面で活用されてきました。今回はヒソップの効果・効能について紹介します。
2019年12月13日更新
記事の目次
[1]ヒソップとは?
ヒソップはシソ科ヤナギハッカ属の多年草です。柳のような葉と薄荷のようなスーッとした香りから、日本では「柳薄荷」と呼ばれています。
ヒソップはアロマテラピーでも活用されますが、ハーブティーやスパイスとしても利用されています。
聖書にも登場する聖なるハーブ
ヒソップという名前は、ヘブライ語のエゾプ(ezob)、またはギリシャ語のヒソポス(hyssopos)が由来であり、「聖なるハーブ」を意味すると言われます。
聖書の中にも自らの罪に気づいたダビデ王がヒソップで身を清めようとする記述があり、磔にされたイエス・キリストが息を引き取る瞬間にイエスの口元に差し出されたハーブとしても知られています。
ユダヤ教やキリスト教では、とても重要な意味を持つ植物なのです。
ヒソップは宗教的な価値を持つハーブというだけでなく、消毒・消臭作用を持つことから協会の床に撒き、それを踏むことで香りを揮発するという方法で浄化にも利用されていました。
一般家庭でも、空気清浄や疫病の予防、防虫剤として広く取り入れられ、厄除け・魔除けのお守りとしても馴染み深い植物として利用されていたようです。
また、ヒソップはリキュール「シャルトルーズ」の香りづけにも利用されますが、ヒソップは紀元前1世紀にはイタリアでワインの原料として使われていました。
10世紀ごろ、ヒソップはベネディクト会の修道士たちによって中央ヨーロッパに持ち込まれ、「ベネディクティン」や「シャルトリューズ」といった薬草系リキュールの原料として欠かせないハーブになりました。
ヒソップの花言葉
ヒソップの花言葉は「浄化」「清潔」です。聖書の記述や、古くから教会で浄化のハーブとして活用されてきた歴史から、この花言葉がつけられました。
[2]ヒソップの育て方
ヒソップは神聖なハーブであるとともに、一般家庭でも古くから親しまれてきたハーブで、現在でも園芸で人気の植物です。ここでは、ヒソップの育て方について紹介します。
春か秋にタネをまく
春か秋に種まきを行うと、梅雨の時期から秋にかけて花を咲かせます。ヒソップは多年草なので、一度植えると数年(4〜5年)は花を楽しむことが可能です。
葉には苦みとミントのような清涼感のある香りがあり、枝ごと刈り取って日陰で逆さにつるして乾燥させると料理の香りづけなどに活用することができます。
相性の良い食材は多く、肉料理や野菜類、豆、チーズなどによく合います。マリネやドレッシングにもおすすめです。
株の中まで充分風が通るように
ヒソップは暑さにも寒さにも強い丈夫な植物ですが、湿気を苦手とします。
形としても細かい枝がよく茂る蒸れやすい草姿(そうし)なので、特に湿気の多い梅雨から夏にかけては混みあった枝を根元から切り落として、花が咲き終わった枝はこまめに切るようにして株の中までしっかり風が通るようにしましょう。
また、水のやりすぎにも注意が必要です。鉢植えの場合は土の表面が乾いてから行うようにして、地植えの場合はよほど炎天下が続かない限りは水やりをしなくても育ちます。
日当たりの良い場所に置く
ヒソップを植えるのには日当たりの良い場所を選ぶようにしましょう。寒冷地で地面凍結するような場合は、株本を腐葉土で覆って防寒対策をしてください。
それ以外は、高温多湿を避けていれば、日よけや防寒などの対策をする必要はありません。
[3]ヒソップティーの飲み方
ヒソップはアロマテラピーだけでなく、ハーブティーとしてもその香りを楽しみ、効果を実感することができます。風邪のひきはじめや、気分が落ち込んでいるときなどに、ぜひ飲んでみてください。
ヒソップティーの入れ方
ヒソップティーの淹れ方は、カップに小さじ1のドライヒソップを入れ、熱湯を注いで蓋をして7分蒸らして完成です。
さっぱりとした味わいが特徴で、ストレートで飲んでも美味しいですがはちみつなどで甘さを加えるとさらに飲みやすく、美味しくいただけます。
ヒソップのシングルティーだけでなく、効果を高めるためにブレンドティーを淹れるのもおすすめです。
風邪のひきはじめに喉の不調を和らげるためにはフェンネルやペパーミントと合わせてみてください。
解熱剤としてならオレガノやキャットニップ、眠気覚ましにはローズマリーとの相性がよいでしょう。
[4]ヒソップ精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能
ヒソップ精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能を紹介します。
ストレスや不安を緩和する
ヒソップには鎮静作用があり、ストレスや不安を和らげ、緊張状態や神経性疲労の症状を改善します。
心を癒して前向きになるサポートをしてくれるので、イライラしたり、興奮・ヒステリー状態のときに有効です。
ヒソップはその歴史から「魂を浄化し、守護してくれる香り」と称されますが、環境の変化で不安になったり、自分を見失いがちな人を安心させてくれる働きが期待できる精油です。
呼吸器の不調を改善する
ヒソップは去痰・粘液溶解作用と殺菌作用があり、呼吸器系の不調改善に有効とされています。
咳や気管支炎、咽頭炎や、鼻詰まり、鼻水など、風邪の諸症状を緩和してくれます。高い殺菌作用を持つため、風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。
消化不良・便秘・むくみなどの改善にも役立つ
ヒソップは呼吸器系の不調の緩和だけでなく、消化促進作用や血行促進作用、利尿作用があり、消化不良や便秘、むくみなどの改善にも役立ちます。
キャリアオイルと混ぜてマッサージオイルとして用いると脂肪溶解作用があるためダイエットとして使用したり、また、冷えの緩和だけでなく、温湿布でリウマチの症状を緩和するとも言われています。
さまざまな効果のあるヒソップですが、ケトン類などの毒性のある成分も含んでいます。
妊娠中の方や、小さなお子様のいる家庭での使用には適さず、使用量にも注意が必要です。
[5]おすすめのヒソップ精油とヒソップティー
通販で購入できるおすすめのヒソップ精油とヒソップティーを紹介します。
ヒソップ精油/生活の木
フランス産のヒソップ精油です。アロマディフューザーで空気清浄に使用したり、マッサージオイルやバスオイルとしても使用できます。
精油の効果をより高めるために、他の精油とブレンドして使うのもおすすめです。すっきりとした清涼感のある香りのヒソップは、樹木系や柑橘系の香りと合わせると良いでしょう。
ハーブ・フローラル系のグリーン調の香りを持つ精油ともブレンドしやすい香りです。
感情をコントロールし、心を落ち着けたいときにはマートル、ユーカリ、ローズマリーとのブレンドがおすすめです。
喉の不調には、サンダルウッド、ニアウリ、セージと、むくみのケアには、セロリシード、ジュニパーベリーとブレンドしてみてください。
有機ハーブティー 有機ヒソップ
ハーブティーとして飲むことができるドライヒソップです。風邪の予防やリラックスタイムにヒソップティーを淹れて飲むと効果を実感できます。
[6]ヒソップ精油とハーブティーを生活に取り入れよう
古くから神聖なハーブとして人々に親しまれ、活用されてきたヒソップは、現代でも多くの効果をもたらしてくれるハーブとして知られています。心を前向きにしたい人や、風邪の予防をしたい人はぜひ、ヒソップの精油やハーブティーを生活に取り入れてみてくださいね。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
ヒソップはギリシャ人とヘブライ人にとって神聖な草として、聖なる場所を清める為に使われていたと言われています。
『浄化・清潔』という花言葉の通り、昔から『心をクリアにする』、『感染症を防ぐ』という目的で使用されていました。ヒソップ精油は風邪や痛みに対して役立ちますが、ケトン類が多く含まれるため、使用には注意が必要です。妊娠中、乳幼児、神経系に疾患がある方は使用できません。気になる方は精油ではなく、まずはハーブティから試してみると良いかと思います。感染症が流行る時期やお部屋の浄化をしたい時にハーブでサシェをつくってみるのもおすすめですよ!
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。